生物多様性保全委員会

日本動物分類学会生物多様性保全委員会


1.活動方針

(1)日本列島における「生物多様性の保全」のためのホットスポット地域(海域)である南西諸島、有明海、瀬戸内海における重大な人為的環境改変またはその計画に対して、これまで複数の他学会(日本生態学会、日本ベントス学会、日本魚類学会、日本鳥学会など)から「生物多様性の保全」の観点から環境復元や計画の見直しなどを求める要望書が国や事業者などに提出されている。しかし、現時点では、これらの学会からの要望が十分に受け入れられないまま問題が継続している(沖縄県の大浦湾の海域埋立、鹿児島県の奄美大島嘉徳海岸の護岸建設計画、長崎県の諫早湾干拓事業をめぐる問題、山口県の上関原子力発電所建設計画、広島県の「ハチの干潟」に隣接するLNG火力発電所建設計画など)。本委員会も、動物分類学の専門的見地から、これらの問題を検討し、新たな要望書の提出などの対応を、他学会の環境保全関連の委員会とも連携しながら、検討する。

(2)一般に、開発計画が決まった後で、それを変更することは容易ではない。したがって、長期的な視点から、日本の様々な地域において、「生物多様性の保全」に配慮しない開発計画が立案されることを未然に防ぐために、個々の地域・海域が有する生物多様性の実態やその保全の意義を、広く社会の人々に伝えるための講演会やシンポジウムなどの開催を検討する。

(3)上記の活動に資するために、本学会会員からの各地の情報や活動の提案などを積極的に受け付ける。


2.体制(2022~2023年)

委員長 佐藤正典(鹿児島大学)

    井原 庸(京都大学)

    山崎博史(九州大学)

    栗田和紀(千葉県立保健医療大学)

    近藤裕介(広島大学)